HUMAN WOMAN 20TH ANNIVERSARY

大人になっても好きなもの my favorite things forever and ever

vol.4

高中 まさえ さん

ファッションコーディネーター・スタイリスト

パリでのカタログ撮影のコーディネーターとして、幾度となくHUMAN WOMANの世界観作りに関わっている高中まさえさん。スタイリストや、イラストレーターとしての顔も持っています。根っからのファッションフリークである高中さんの、クリエイションのルーツになるものとは?

高校生のときに
運命の出合い。
20個ほど持っています

まずはL.L.BEANのトートバッグ。「高校生のときに海外通販が流行って。父が東京国際郵便局に務めていたのですが、たまたまL.L.BEAN係になり、『人気だから1個買ってみる?』と勧められたのが運命の出合い。それから、もう何代目からわからないくらい使っています。毎日持って、どんどん洗って、ぼろぼろに味が出てくるのもかわいい。今は7歳になる息子のイニシャル入りのものもあります」

1色ずつ買い足し、買い足し。
大人になって
念願の72色セットを

イラストレーターとして雑誌や新聞の挿絵を描いていた高中さんを支えたのが、ベロール社の色鉛筆“イーグルカラー”。「日本にいた頃、パリコレを観に来て、気になったルックを描いていたんです。そのときに色を塗るのにも使っていました。色彩のグラデーションが好きです。パレ・ロワイヤルやカフェ・ド・フロールのタイルの色を見ると、気持ちが盛り上がります。嫌いな色はないけれど、黒い服は着ません」

自分のアイデンティティのように
オリジナルのおしゃれを
楽しむ帽子

1999年、高中さんがパリに移住したばかりの頃に通っていたヴァンプの蚤の市で見つけたのがこの帽子。「帽子が山積みになっているブースで掘って、色とフォルムが気に入って買いました。オリジナリティを入れたくて、日本で飼っていた白猫の絵を描いて、刺繍して。お気に入りだったのでいつもかぶっていて、会う人に『スナフキンみたいだね』と言われていた時期もありました」

パリではフィロソフィーや
ユーモアのある人が
モテる!

「20歳の頃から年に一度、旅行でパリに来るようになって。30歳を前に、1年くらいパリに住んでみるのもいいな、と思って移住したら、もうすぐ20年です。こちらでは自分のパーソナリティをしっかり出さないと、人に興味を持ってもらえません。日本は同調の文化だけれど、フランスでは相手をリスペクトしながら、否定だったとしても自分の意見をきちんと言う。それがとても新鮮でした」

Miho Yamazaki

パリ在住のスタイリスト。コーディネーター、イラストレーターとしての顔も持つ。『FIGARO japon』、『POPEYE』など日本の雑誌のパリ撮影や、HUMAN WOMANをはじめ、アパレルカタログのパリ撮影などで幅広く活躍中。

STAFF

  • Photograph : Sumiyo Ida
  • Edit & Text : Kaoru Adachi