青砥 厚二 さん
O T O Ä A デザイナー
ヨーロッパのヴィンテージを独自のフィルターに通し、現代的なカジュアルモードへ昇華させる人気ブランド・O T O Ä A(オトアー)。この秋、HUMAN WOMANとの20周年記念コラボレーションが実現しました。デザイナーの青砥厚二さんのずっと好きなものは、1年あまりの英国生活がベースにあります。
英国のマーケットでは
一般的な価値よりも自分の価値観を頼りに
London College of Fashionへ留学中の20代、青砥さんが夢中になったのがアンティークマーケット。「学生でお金がないのに、マーケットで出合うアンティークは惜しまず買っていました。こういうボタンや、生地や、カギなど、形や素材感に惹かれたものを。年代がいつとか、貴重なものだとか、そういうことよりも、選ぶときには自分の好きな物、価値観がすべて。自己満足ですが、感性は磨かれたと思います(笑)」
どんなに時が経っても
好きなものは変わらない
「マーケットで買ったカギをアクセサリーとしてジャケットにつけたり、鍵穴の部品をTシャツにつけようと考えたり。古いカットボタンを元に、O T O Ä Aオリジナルのボタンを作ったりもしました。ガラクタでも、モノの存在感が好きで。当時厳選して集めたものは、十数年経った今見ても、変わらず自分の感性にしっくり。きっと一生変わらないでしょう」
気に入ったシャツは
ボロボロになっても自分で補修
こちらのシャツは、青砥さんが20歳の頃、日本の古着屋で一目惚れしたフランスのレディースシャツ。「学生の頃にすごくよく着ていました。この刺しゅうの水玉が好きだったんです。あまりにも着すぎていたので、大きな穴もあいている。同級生が見たら笑うと思います(笑)」。味が出すぎて、もうボロボロ。そこをステッチで補強したり、作品の残布でツギハギしたり、それがとてもチャーミング。
レディースの服には
作る楽しみと、着てもらうよろこびがある
「これは、フランスの60〜70年代を中心としたヴィンテージのレディースの服たち。昔の服は作りが工夫されていておもしろくて。O T O Ä Aはこういうヴィンテージからインスパイアされ、現代的に再構築するのがテーマの一つなんです。そして、男性的な部分と女性的な部分を織り交ぜているので、中性的なプロダクトになっています」
HUMAN WOMAN × O T O Ä A
COLLABORATION ITEMS
「秋口の薄手ニットなので、編み地は極力シンプルにして、オリジナルの刺しゅうと、色の組み合わせにO T O Ä Aらしさを込めました。刺しゅうは柄の図案や、生地、糸も全部自分で構成しています。マットな綿糸と、光沢のあるレーヨン糸の2種類の糸を使っているのでとても表情豊かです」(青砥さん)
KNIT¥19,000 VIEW MORE「O T O Ä Aのパンツの考え方をベースに、HUMAN WOMANらしいトラディショナルで、着たときの美しさを意識してデザインしました。身体のラインを隠しながら、パンツのシルエットできれいに見せる一本です。シワになりにくく、イージーケアにもこだわりました」(青砥さん)
PANTS¥16,500 VIEW MORE青砥厚二/文化服装学院を卒業後、London College of Fashionへ留学。同時にロンドンコレクションブランドで学ぶ。帰国後、テキスタイルメーカー、東京コレクションブランドを経て、2010年にO T O Ä Aをスタート。
STAFF
- Photograph : Kozue Hanada
- Edit & Text : Kaoru Adachi
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